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行政書士の試験

アガルートの行政書士講座の合格率がホントかどうかすぐわかる方法とは

アガルートの行政書士講座は令和元年度の合格率が72.7%と宣伝されています。「これってホントかな?」と思ってしまいますが、こんな時に本当か嘘かをチェックしてくれる機能があったら便利と思いませんか?

仮に「行政書士講座の真偽判定サイト」なるものがあったとしても、嘘を書くような講座なら、このサイトと交渉して嘘でないと表示されるようにするでしょう。そこで「行政書士講座の真偽判定サイトの真偽判定サイト」というチェックサイトの信ぴょう性をはかるサイトも出てきそうです。結局いたちごっこになってしまうので、このような便利な機能は登場しないことになります。
さらに、合格率のように、ある程度幅のある言葉なら、本当か嘘かのどちらかに分類するのは難しくなり、白に近いグレーとか、黒に近いグレーのような表現になって、どう判断すれば良いのか分からなくなります。

本当か嘘か分からないままになってしまいそうですが、ご安心ください。行政書士試験の通信講座が信用できるかどうかの指針となるリストは国が用意してくれているのです。

行政書士講座は教育訓練給付制度で見分けろ

行政書士試験の通信講座で信頼できるものは、国が運営する「教育訓練給付制度」のリストで確認することができるようになっています。

「教育訓練給付制度」のリストの確認方法は以下の通りなので、興味のある方はやってみてください。
1 「教育訓練講座検索システム」で検索する
2 「講座を探したい」をクリックして進む
3 「分野資格名検索」の「制度」の所で、「一般教育訓練」にチェックを入れる
4 「専門的サービス関係」の行政書士にチェックを入れて検索
アガルートを探すと・・・リストに載っていません(2020年12月調べ)。

アガルートの行政書士講座がちょっとだけ気になっていて、選択する気はほとんどなかったという方は、ここで読み終わって問題ありません。

しかし、法曹を目指すなら、2つほど疑問を持っておくべきです。
1つ目は、「教育訓練給付制度」のリストがどうして行政書士講座を信頼する指標になるのか。
2つ目は、「教育訓練給付制度」のリストに例外はないのか。
「教育訓練給付制度」は教育と名がついているものの、行政書士講座自体の信頼度を判定する制度ではありません。「教育訓練給付制度」のリストに入っていることが信頼の判定基準となるのであれば、それに足りうる理由が必要になります。
どんなものにも例外はあるので、例外がないか常に意識しておくのは大切なことです。

この2つの疑問については、教育訓練給付制度の概要を押さえておくと答えることができるようになります。
教育訓練給付制度は、一定の条件を満たして行政書士講座などの教育訓練を受講する時に、受講料の2割を補助してくれる制度です。GOTOキャンペーンみたいなものと考えれば良いでしょう。

教育訓練給付制度のお金の出所は雇用保険になります。つまり、みんなで払い込んでいる雇用保険の掛け金から、行政書士講座を受講した人に支払われるのです。
教育の実態がないような怪しい通信教育に補助金が支払われるようなことがあったら大問題になるので、教育訓練給付制度の対象となるには厳しい審査を受けなければなりません。
教材と受講料が見合わなかったり、合格率が低かったり、合格率などの情報を意図的に変更しているなどの問題があれば審査を通ることはないと考えられます。

したがって、教育訓練給付制度の対象になっていれば、情報に明らかな嘘はなく、標準以上の講座を受講できることになるので、行政書士講座を信頼する指標になるのです。

ここでさらに疑問がわいてくるはずです。
「厳しい審査」があるなら、審査の間はどんなに素晴らしい行政書士講座でもリストに載らないのではという疑問です。
開講されたばかりで合格者がいない講座を教育訓練給付制度の対象にするのは難しいので、開講から2・3年経過していない場合は、対象となっていなくても仕方ありません。

また、教育訓練給付制度の対象になるのは受講料が2万円を超える必要があるので、受講料が2万円以下の講座も対象外になってしまいます。
つまり、例外として、「開講3年以内」「受講料2万円以下」を挙げることができるのです。

アガルートの行政書士講座がいつ開講されたのかを調べると、専任講師が2013年向けの記事を書いているので、2012年から存在したことになります。「開講3年以内」という例外は適用されません。
さらに「受講料2万円以下」という条件も該当しないので、アガルートの行政書士講座に例外規定は適用されないことになります。

国が全ての講座を強制的に審査しているのなら、リストに載っていない場合は信頼できないものと考えることができるのですが、通信教育社の方が審査に回さなければリストに載ることもないので、何らかの理由で審査に回してないという例外も考えられます。

例えば、受講料が21000円だった場合を考えましょう。キャンペーンで1割引きにした場合、教育訓練給付制度の対象にならなくなるので、1割引きでは誰も受講してくれないはずですし、2割引きでもお得感はありません。一般的に3割引きにするのはつらいので、キャンペーンのことを考えて教育訓練給付制度の対象にならないようにすることは考えられます。

しかし、アガルートの行政書士講座は定価30万円を超えるものもあり、教育訓練給付制度の対象になっていれば、教育訓練給付金の上限が10万円なので、30万円の2割に当たる6万円が返ってくることになります。
さらに、アガルートの行政書士講座は合格祝いとして全額返金があるので、30万円の講座を受講して、教育訓練給付金6万円、合格祝い30万円で36万円返ってくるという美味しい状況にもなります。

仮に受講料50万円のコースを作れば、教育訓練給付金は上限の10万円になります。合格すれば10万円も儲かるので、受講する人が増えるのではないでしょうか。全額返金なら10万円のコースも50万円のコースも売上0という点では同じなので、アガルートの懐が痛むことなく、受講生が得するのです。アガルートが教育訓練給付制度の対象にしないという選択肢はないはずです。

以上のことから、アガルートの行政書士講座は合格率も含めて信頼に足りうる講座ではないことが見て取れます。その他、検証が必要な箇所があるかもしれません。この点はさらなる検証が必要になるでしょう。

それでもアガルートの行政書士講座を信頼したい人向けに検証します

アガルートの行政書士講座の合格率は、普通に考えても疑問が生じますし、教育訓練給付制度の対象にもなっていないことから、限りなく疑わしいと判断するべきですが、大穴を狙ってみたいという人はどうすれば良いのでしょうか?

年末の風物詩、有馬記念。ボーナスをつぎ込んで途方に暮れている人も少なくない競馬の祭典ですが、2007年に8千倍という大穴を記録したこともあります。
大穴が出た原因は、勝ち馬は有馬記念が行われる中山競馬場を非常に得意としていて、人気になっていた馬は中山競馬場を得意としていなかったことが挙げられています。
つまり、他の受験生が不得手とする条件であっても、あなただけが得意な条件であれば大穴を開けることができることになります。

あなただけが得意な条件とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
アガルートの行政書士講座は「通信講座」なので、あなたが通学講座を得意とするのであれば、アガルートの行政書士講座を選択するべきではありません。
「通信講座が得意」という条件が見えてきました。

次に、「通信講座とは何か」という問題が出てきます。
昭和以前の通信講座を考えてみましょう。

郵便でテキストが送られてきて、付属のテストを受けて送り返すと、採点されて送られてくるという、紙と文字だけのやり取りが通信講座でした。
空手の通信講座などもありましたが、一般的には道場に通って習うもので、紙と文字には縁が遠く、実際に突きや蹴りなどを体験して覚えていくものでした。
学校などの集団教育は、通信講座と道場の中間で、紙と文字に教師の声や実験などの体験も加えるものになっています。

したがって、「通信講座」は抽象的に教育するもので、「道場」のように具体的に教育するものとは遠い存在ということになるのですが、通信技術の発達で、講義動画を配信できるようになったり、ゲーム形式の問題練習ができるようになったりと、昭和時代に比べると具体的に教育することができるようになっています。
どこまで具体的に教育するのかについては各社によって差があるので、その差がピッタリ合った時に大穴を開けることができるはずです。

それでは、どのように具体的に教育しているのでしょうか。
最も抽象的な通信講座では「テキスト」と「テスト」だけなので、これをより体験できるような方向で進化させているはずです。
文字情報をより体験できるようにするにはどうすれば良いのでしょうか。

小説という文字情報は、マンガという形式で文字が読めない子供でも体験できるようになりましたし、映画やアニメでより楽に体験できるようになります。
テキスト自体をカラー化したり、イラストや図表を使ってより具体的にする方法が考えられます。また、講義動画を使って、文字だけでなく、映像や音を使ってより具体的に教育するようになっています。

テストは、行政書士試験のテストに合わせて試験形式に慣れたり、時間配分ができるようにするため、模試を中心とした一般的なテストを用意するしかありません。
行政書士試験の特性を踏まえると、過去の出題された問題が何度も出題される傾向があることから、過去問集が重要になりますし、法改正があった場合は、頻出問題となるので、法改正情報も極めて重要になります。
マンガやアニメがゲーム化されて世界観を体験できるように、過去問もゲーム化して体験できるようにしている通信教育社もあります。

アガルートの行政書士講座のテキストは、他社に比べて厚く、講義動画は「一度聞いて理解できないのは普通なので何度も聞いて理解する」と指導されているほど難解で、とても文字情報を楽に体験できるようには作られていません。

また、問題集は「他資格セレクト問題集」という行政書士試験よりも難易度の高いものを使っており、模試も1回だけしかないので、行政書士試験を具体的に体験して実感できるようには作られていません。

「テキスト」「講義動画」「過去問」「模試」のいずれも、現在の通信講座のトレンドを加味していない内容である可能性が高いため、教育訓練給付制度の対象になっていないのは仕方なしという結論になります。