実務研修という手段
「行政書士の試験に合格したのですから、今日から独立開業者として頑張ってください」。みなさんが近い将来のことを想像して、感じてしまうそんな圧迫感。そのプレッシャーを和らげる保険として、行政書士の「行政書士実務研修センター」があります。
行政書士の試験を受ける以前に求人のことが気になる人がいるとしたら、それはやはり、いきなり独立開業して、本当に仕事が上手くいくのかどうかということが、一番不安になるからだと思います。一足先に試験に合格した先輩のなかにも、そのような不安を抱えている人が実はたくさんいるのです。そして行政書士実務研修センターは、その名のとおり、新米の行政書士さんに行政書士開業のために必要な実務を教えてくれる機関です。
行政書士実務研修センターは民間の機関なのでもちろん有料ですが、実務の基本を押さえてから開業したい方には利用する価値が大きく、非常に人気があります。
研修はどのようなもの?
行政書士の実務から、仕事になる営業の方法まで、手厚く教えてくれます。
行政書士実務研修では、事務所の設置の仕方など基礎的な事柄のほかにも、建築許可、自動車業、遺産分割協議書、パスポートの実務、定款作成、内容証明などなど、行政書士の具体的な業務について(つまりみなさんがやりたいと思う業務について)、書類作成の演習をしながら学ぶことができます。
また行政書士もビジネスですので、報酬をどのように設定すると依頼を獲得しやすいか?依頼者の相談を聞く時にはどのような対応をすると仕事に結びつきやすいか?広告・宣伝の方法は?人脈を形成するポイントは何か?などなど、普通は開業をしてから小さな失敗を重ねながら覚えていくことを、丁寧に教えてくれます。
さらにグローバルな視点から、将来の市場のことを予測しながら行政書士の経営ノウハウを指導している機関などもあります。独立開業者はある意味経営者ですので、市場の先を読む力も養っておいた方がいいということですね。
こうした実務研修は通学で3日のものや、3ヶ月10回ほどの講義のもの、通信講座など様々があります。行政書士試験に合格したら、その後の実務については何でも一人で勉強しなければいけないわけではないことを覚えておいてほしいのです。
実務研修センターは有料ですから、合格した暁には、みなさんはお客様として迎えられることになります。スパルタ式を謳い文句にしている機関もありますが、そこはやはりみなさんの方がお客様です。求人を縁にどこかの事務所で遠慮をしながら教わるよりも、はるかに実のある開業準備ができるように思います。